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研究テーマ② SHD
SHDインターベンション
この研究テーマの意義
SHD(構造的心疾患)という用語・概念は以前からあるが、近年新たな治療法が次々登場してきておりカテーテル治療の対象として注目を集めています。特に高齢化社会の中で弁膜症は増加の一途です。この分野の発展で救われる命は増え続けていく一方、新しい分野であることから不明な点はまだまだ多い。他の成熟した分野とくらべ、SHD領域の研究は、治療に直結したり日常臨床を変えたりする可能性のある非常にやりがいのあるテーマです。
近年ではSHD interventionの症例数が増え、single centerでも臨床研究を行い、海外の有名雑誌に多数の論文を掲載させることができるようになってきました。毎月1度のresearch meetingにテーマを持ち寄り議論しています。当院に来るまで臨床研究をしたことがない先生でも国際学会で発表したり、海外の雑誌に論文を掲載したりといった実績が多くあります。若手の研究には必ず指導医をつけ、二人三脚で臨床研究を行なっています。また、世界規模のレジストリであるOCEAN-SHD研究会にも所属しており、希望者は同レジストリから論文を書くことも可能となっています。
主な研究メンバー
出雲昌樹, 古賀将史, 桒田真吾, 佐藤如雄, 奥野泰史, 甲斐貴彦, 田中徹
当院における本研究の実績
当院ではTAVI・Mitraclipの症例数は日本でもトップクラスであり、その他としてもASD/PFO閉鎖術・Wathcmanデバイスによる左心耳閉鎖・CTEPHに対するBPVなど幅広くSHDのカテーテル診療に対応している。2021年3月時点ではTAVIの症例数は600例、Mitraclipの症例数は150例を超え様々な研究を行っていく上でも十分な症例数があり、その豊富や症例や経験を活かし学会発表や論文発表を行っている。TAVI後の左脚ブロックが心不全入院へ影響することを明らかにしたデータや、狭小弁輪でのTAVIデバイス毎の違い、免疫抑制剤の使用がTAVI術後のoutcomeへ大きく影響しないことなど、臨床に直結したデータでそれぞれCirculation journalへアクセプトされている。
当院で積極的に行っている運動負荷エコーが、Mitraclipへのdecision makingへ有用であったことを示した論文はEuropean Heart Journal Cardiovascular Imagingに通っており世界に先駆けたデータとなっている。 また大学病院の強みとして様々な得意分野の研究者がいる点があるが、栄養の観点からTAVI患者を評価した論文はESC Heart Failureにアクセプトされた。このように一流誌にも多数論文をあげており、現在ではOceanレジストリーやEnvisage-TAVI AF試験、BPV-AFレジストリーなど他施設共同研究にも積極的に参加している。
後期研修医や、すでに循環器内科医として活躍されている
医師へのメッセージ
SHD領域は比較的新しい分野であり、日々情報が更新され日進月歩の非常にエキサイティングな領域になります。そうした分野でみなさんが出した論文やデータが日常臨床を変える可能性があり、研究も非常にやりがいをもって行うことができます。当院では月に一回SHD領域のリサーチミーティングがあり、様々な分野の専門家を交えてディスカッションを行いながら、全力・総力のサポートを受けることができます。多くの大学院生もそれぞれにリサーチテーマをもって参加してくれており、実際学位も取得されています。ぜひマリアンナで、みなさんの知見で、SHD診療を一歩進めていきましょう。